あくまでも「ブログ」。

「芸術、お金、仕事」のことを書いています。「ハッピー・ライティング」を目指します。

書斎机|理想のサイズ

机の理想の大きさ

理想の机ですので、理想をもっていない人には見つかりません。わたしの理想の机――。
ゆっくりと考えてみました。考えているうちに数日、数か月が経ちました。その間にも、理想の机はなんども姿を変えます。
そんな中、ひとつの机と出会いました。古い紫檀の文机です。

したん【紫檀】マメ科の常緑小高木。インド南部原産。幹は黒みがかったむらさき色。材質がかたく木目が美しいので、床柱や家具に用いる。(角川必携国語辞典)

文机。ふづくえ。ふみづくえ。
読み書きに用いる机のことです。夏目漱石氏は、紫檀の文机で、『坑夫』から『明暗』までの作品を書いたといわれています。今回の記事で大切なポイントは、この紫檀の文机のサイズ、大きさです。わたしの理想の机の根拠が見つかりました。
「縦420 ×横751 ×高さ30(cm)」
夏目漱石氏の紫檀の文机の大きさ(とわたしが思っている天板のサイズ)です。

サイズオーダーができる木製家具メーカー

理想の机の天板の大きさが決まりました。憧れの作家が使っていた大きさです。次は、サイズオーダーができ、予算内に収まる、品質のよさそうな家具メーカーを探しました。

「ひのきの学習机専門店 ヒノキクラフト」という静岡の家具メーカー。ここの机に決めました。
わたしが選んだ商品は「Preデスク」といって、サイズオーダーができ、組み立てもかんたんで、木材(檜無垢)の香りも肌触りも最高でした。価格と品質のバランスが素晴らしい商品を扱っているメーカーです。

Preデスク[M]

Preデスク[M]

机の大きさを再度確認

広い天板のほうが作業がしやすい。作業の効率がいい。
ウェブにはこのような情報も落ちていました。ある意味では正しいと思います。しかし、冷静に考えると、おかしくも思えます。どうのような作業を前提としたのでしょうか? 
たとえば、夏目漱石は上記した比較的小ぶりな机で、すばらしい作品を形にしました。「菫ほど」の句を書いた夏目漱石氏に、よく似合う机だと思います。
ものごとは、なにごとも反対にとらえることができます。一度、わたしが大きな机に感じる不満な点をあげてみます。

  1. 机が大きいと、部屋自体の空間が狭くなります。小さい机にすると、部屋に解放感が生まれます。(閉所を好む人には通用しません。)
  2. 机が大きいと、余計なものを机に置いてしまいます。小さい机にすると、机の上に、ひとつの仕事しか置けません。(ひとつの仕事に必要な道具が多い人には通用しません。)
  3. 机が大きいと、面積分だけ値段が高くなります。小さい机のほうが経済的に手に入ります。

人間がなにかの作業をするにあたって必要な大きさを満たしていれば、小さい机のほうが、好ましい場合もあり得ます。

わたしのデスクシステム

書斎をイメージした時に、ひとつのデスクシステムを思い浮かべました。小ぶりのメインデスクの周囲に、本棚とサイドテーブルを置き、作業を補助環境を作る。
結局は広めの面積を使っていることになりますが、「ひとつの天板に、あれもこれも」という状態を避けるために、このような仕組みを用いました。
「ひとつの天板に、ひとつの仕事道具」――。
一本のペンと、一冊のノートと、一杯のコーヒーが置ける大きさの机。これを理想机の、理想のサイズと考えました。ノートパソコン等その他の物ものは、本棚やサイドテーブルに置きます。必要なものも、必要になるまでは、必要になりません。
必要性の程度をわたしの基準でつきつめると、「書くための道具と、リフレッシュする飲み物」があれば、基本的に間に合います。だれしもアイデアは自分のなかにあります。これらに比べると、他のものの出番はあまりありません。

仕事をする空間。補助的な空間。この境界を、机という物理的な領域で分断しておきます。明確な区切りをつけることで、わたしの生まれつきの性格、「あれもしたい、これもしたい」病が、多少なりとも緩和されることを祈ります。(わたしの性格を考え、自分で物理的な制限を加えました。)
集中するものだけを机の上に置く。それとだけ向かいあう。ひとつのものにだけ手をつける。このひとつの機能性だけで、小さい机を愛することができます。

紫檀の文机へのあこがれ

天板の大きさが決まった後でも、木材ではずいぶん悩みました。紫檀という木材を夏目漱石氏は愛していたからです。

紫檀は「木のダイアモンド」とも呼ばれているみたいです。ウェブで見たかぎりでは、わたしの希望のサイズのものが見つかりませんでした。仮に見つかったとしても、今ではかなり高額だと思います。また、紫檀の中にもピンからキリまであるはずです。安いものがあったとしてもためらいます。実物を見ても、価値と価格のバランスを判断することができないような気がします。

内田魯庵氏も、夏目漱石氏とおなじ紫檀の文机をオーダーしたことがあるそうです。愛は盲目です。