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トップ・ミドルのための採用から退職までの法律知識|安西愈

十四訂から数年

平成25年(2013)に十四訂。その後も立法や法律の解釈・適用は社会とともに変わっています。しかし、根本の仕組みには芯が通っています。
時代の風は立法や法律の解釈・適用を変えますが、それは、季節の移り変わりのように、枯れては咲いての繰り返しです。一本の木が成長していくようなものです。読む価値は大いにあります。
1977年第一版からの著者の考えが、凝縮されています。古いのではなく、地中深くにまで、根をはっている本だと思います。

ライン人事管理体制

本著の内容は、目的に書いています。

本書は、ラインの管理監督者に、人事労務管理者として必要な採用から退職までの法律知識を簡単にマスターしてもらうことを目的として執筆したものである。『トップ・ミドルのための採用から退職までの法律知識(十四訂)』安西愈

主な考え方は、ライン人事管理体制――。
部下に対する業務命令は、労働基準法その他の労働諸法令を守り、就業規則に従って行わないといけません。違反していれば、代表機関にあたる社長等が違反労働を命じたことになり、責任を問われます。
労働基準法では、部下を一人でも指揮監督する者に対して、同法上の使用者としての責任を負うことを規定しています。そこから人事労務管理はラインが行うものだという認識につながります。
しかし、ライン管理者の人事管理者としての資格、能力が問題になっています。そして、引用した本著の目的へとつながります。

トップやミドルがだらしない組織では、その指揮命令を受ける者が読むといい本

およそ1,200ページあります。分厚い本です。
内容は実務に適用しやすいように、読みやすい文章で書かれています。社会保険労務士資格の試験範囲で学んだ労働関係の法律を、具体例などをもちいて、細かく丁寧に説明しています。
本のタイトルには、「トップ・ミドル」と書いています。トップやミドルが読むだけで、コンプライアンスが改善される組織を前提にしています。
現実の社会には、トップやミドルが労働関係の法律に関心の企業もあります。そういった企業に勤めている場合は、おかしなことですが、指揮命令を受ける側の人間が手にとることもあると思います。
部下をひとりでももつ人(労働基準法で使用者としてあつかわれる人)や、安心して働きたい人(職場と法的に適切な距離を保ちたい人)におすすめの本です。

「採用、試用期間、労働契約、労働条件、職場生活、労働慣行、就業規則、賃金、労働時間、休憩、休日、時間外・休日労働、割増賃金、過重労働、休暇、母性保護・育児・介護、人事異動、懲戒処分、退職、解雇、有期労働契約、個別労働紛争」
法律を学んでおけば、おかしな職場を見分けることができます。